ここでは、Taglibsの概要・インストール方法について解説します。
- 実行環境
-
- ・WindowsXP Home Edition
- ・J2SDK 1.4.2_04
- ・Tomcat 5.0.18
- ・Standard Taglib 1.1.0
概要
TaglibsはJakarta Projectで策定されているJSPカスタムタグライブラリです。JSPでは<% ・・・ %>タグ(スクリプトレット)を使用し、その中にJavaコードを書くことができます。<% ・・・ %>タグの部分が多くなるとJSPファイルが見にくくなりJSPの利点の一つであるプログラマとデザイナの分業が果たせなくなります。そこでカスタムタグを使用し、<% ・・・ %>のJavaコードをタグの中にカプセル化し、JSPファイルの可読性の向上、開発の効率化を図ります。カスタムタグを使用すると、例えば前ページからの値を表示する時に、「<% String name = request.getParameter("name"); out.println(name); %>」と記載していた部分を「<c:out value="${param.name}">」という記述ですむようになります。
Taglibsには多くのカスタムタグライブラリが策定されています。最も主要なものは、JCP(Java標準化プロセス)で定められた主要タグライブラリJSTL(JSP Standard Tag Library)を実装したStandard Taglibです。以下にTaglibsプロジェクトで策定されているカスタムタグライブラリを記載します。
タグライブラリ | 内容 |
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Standard | JSTL仕様を実装。 |
Application | ServletContextオブジェクトへのアクセスに使用。 |
Benchmark | JSP向けベンチマークテストに使用。 |
BSF | Javaアプリケーション内でスクリプト言語を実装。 |
Cache | JSPのキャッシュに使用。 |
DateTime | 日付、時刻のフォーマットに使用。 |
DBTags | SQLデータベースへのアクセスに使用。 |
I18N | ローカライズ処理の実装に使用。 |
Input | HTMLの<form>タグを表現する |
IO | 様々なプロトコルのデータ入出力に使用。 |
JMS | JMS(Java Message Service)関連処理の実装に使用。 |
JNDI | JNDI(Java Naming and Directory Interface)関連処理の実装に使用。 |
Log | Log4jを使用したロギング処理を実装。 |
Mailer | メール送信に使用。 |
Page | PageContextオブジェクトへのアクセスに使用。 |
Random | ランダムな文字列、数値に生成に使用。 |
Regexp | Perlで使われる正規表現を実装。 |
Request | HTTPリクエストへのアクセスに使用。 |
Response | HTTPレスポンスへのアクセスに使用。 |
Scrape | Webドキュメントからデータを抽出、表示する機能を提供。 |
Session | HttpSessionオブジェクトへのアクセスに使用。 |
String | 文字列の操作に使用。 |
XTags | XSLT、XPathの技術を使用しXMLを操作。 |
インストール
TaglibsのインストールはTaglibsを構成するtldファイル、jarファイルをWebアプリケーションの該当するディレクトリに配置することで行います。ここでは、Standard Taglibを例に取り、Taglibsのインストール方法について解説します。
1. ダウンロード
1-1. | Standard Taglibsのバイナリ版(jakarta-taglibs-standard-current.zip)を以下のURLからダウンロードします。執筆時点の最新版はStandard Taglib 1.1.0です。Standard Taglib 1.1.0の動作には、JSP2.0以上をサポートしたサーブレット/JSPコンテナが必要です。今回動作確認に使用するTomcatはバージョン5.0.18です。 URL:http://jakarta.apache.org/site/binindex.cgi |
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2. 配置
2-1. | ダウンロードしたファイル(jakarta-taglibs-standard-current.zip)を解凍します。 |
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2-2. | 解凍すると\jakarta-taglibs-standard-1.1.0\libディレクトリにjstl.jarファイルとstandard.jarファイルがあります。それぞれのファイルをStandard Taglibを使用するWebアプリケーションの\WEB-INF\libディレクトに配置します。 |
3. 動作確認
Standard Taglibにはサンプルアプリケーションが用意されています。ここでは、サンプルアプリケーションを使用して、Standard Taglibの動作確認を行います。
3-1. | ダウンロードしたファイル(jakarta-taglibs-standard-current.zip)を解凍すると、standard-examples.warファイルがあります。standard-examples.warファイルを$CATALINA_HOME\webappsディレクトリ配下に設置し、Tomcatを起動します。 |
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3-2. | standard-examples.warファイルが解凍され、プログラムの配置(デプロイ)が行われます。 |
3-3. | http://localhost:8080/standard-examples/にアクセスし、Standard Taglibの動作確認を行います。 |
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